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花ちゃんとの出会い④

花ちゃんに会えなくて
でも、花ちゃんはこの2階のどこかにいて
きっと私の話を聞いている

そう思って

「花ちゃん、今日も5分だけ話して帰るね
 今日はね・・・」

「花ちゃん、この前ね、こんなことがってね・・・」
 
「そういえばさぁ 花ちゃんはどう思う? 花ちゃんだったらどうする?」

と 毎週水曜日午後1時から1時5分まで話して帰った。


そして
今日で1か月が経とうとした4週目の帰り際にこう話しかけた。



「花ちゃん、来週は花ちゃんを探すね。かくれんぼだね。
 それじゃぁまた来週ね」



この言葉を聞いた花ちゃんはどう思っただろう。

お母さんに来週は探すことの許可をいただいた。
お母さんは

「たぶんクローゼットか
 弟の部屋か
 ベランダか
 和室の押し入れかもしれません
 どうぞ開けてみてください」

と言った。

さて、花ちゃんはどこにいるのでしょう。
花ちゃんはこの1週間どんな心持で過ごすのでしょう。
1週間に1回の刺激的な私の登場にどう応えるのだろうか。

ここまで大事に大事に積み重ねてきた
ちょっぴり風変わりだけど
花ちゃんにとっての最善をいつも考えて

『大丈夫だからね』

って

花ちゃんの心に
やさしく
そして
あたたかく

「トントン」

とノックし続けてきたけど
ちゃんと『大丈夫だよ』は届いていただろうか。

To be continued 

ーMISAー