ずっと前のこと
台所で夕食を作っていると
末っ子の息子が部屋から出てきて冷蔵庫を開けながらこう言い始めた。
※母=MISA
息子)彼女と電話でケンカしちゃったよ。
母)あら、めずらしいわね。
息子)ブチギレたよ。
母)相当怒っているんだね。
息子)何が言いたいのかわからないから電話切っちゃったよ。
母)何が言いたいのかわからなかったんだ。
息子)そうなんだよ。あいつ言いたいこと言うことに慣れてないんだよ。
母)そっか、言いたいこと言えないってわかっていても、ブチギレちゃったんだね。
息子)だって、機嫌が悪いのは俺に関係することなのか、しないのかだけでも教えて、って言ってるんだよ。
俺に関係することなら直せるって言ってるのに。
毋)機嫌が悪い訳が知りたいんだね。俺に関係するなら直すって。
息子)そう。それなのに言わないから切ってやった。もう別れちゃうかも。
母)機嫌が悪い理由がわからなくてイライラしてるんだね。
息子)全く面倒くさいんだよ。
母)面倒くさいんだね。
と言って
冷蔵庫から取り出したペットボトルの水をひと口飲みながら部屋に戻っていった。
カウンセリングに出会う以前だったら、多分・・・
「ダメよ、短気になったら」
「女の子の気持ちをもっとわかってあげなくちゃ可哀想よ」
「もう一回電話して電話切ったこと早く謝らないと、ほら電話して」
とか
「そうよ、そんなハッキリしない彼女なんか別れちゃいなさい」
「俺が悪いなら直す?そんな必要ないわよ。甘えすぎよね〜」
とか
「そんなこと? お母さんは今、忙しいのよ。見ればわかるでしょ」
なんて言っていたかも。
でも大きく変わった!
”ここぞ!”
と言うときの傾聴技術 「お〜役立っているなぁ〜」 と実感して
ちょっと顔をほころませながら夕食作りを続けた。
実はこのコラムを書きながら
あのときの光景が思い出され “ぷっぷっぷ” と思わず声に出して笑ってしまった。
『子どもは転んだら自分で立ち上がる』
子ども自身が、今 抱えているこの問題と
どう向き合って
本当はどううしていきたくて
そのためにはどうしたらいいのか
いっぱい考えて 試行錯誤して また壁にぶつかって でも立ち上がって
子どもにとっての最善が見つけられるように
日々の保育・子育ての中で
”ここぞ!” というときに「傾聴」というカウンセリング技術を身につけて
社会の中で子どもがいきいきと自立して歩んでいけるようにしていきたいですね。
ーMISAー