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いざとなったら

保育園では子どもたちの命を守るために
普通救命講習もしくは上級の救命講習を受けている。

私も何度となく受けていたので
基本的な蘇生法はマスターしていると自負していた。

あるとき
電車の中で隣に座っていた女子高生の呼吸が
急に荒くなったことに気づいた。

ん?
過呼吸かな?

小声で声かけてみた。
「過呼吸?」

女子高生はコクリとうなづいた。

「ハイ、これ」
さっきコンビニで買ったときのビニール袋を差し出した。

「次の駅でおりるけど大丈夫?」
女子高生はビニールを口に当てながら
コクリとうなづいた。


通勤電車の中で2日に1回は
「具合の悪いお客さまの対応をしているため
 しばらく停車します」
とアナウンスが流れる。

何かあったら救命講習受けてるし
いざとなったら
すぐに行動しよう!なんて思っていた。



ある冬の日
駅からタクシーで帰宅して
我が家の前でタクシーの運転手がこう言った。


「お宅の家の前で誰か倒れているよ」


「え!?」


フロントガラスを中腰になって覗き込んで見ると
確かに男性が倒れているのが見えた。


運転手がこう言った。

「ちょっと見てきてよ」

「え!?」

体が動かなかった。
ここぞと言うときは助けられると思っていたが
実際、目の当たりにすると体が恐怖で動かなかった。


運転手はこう言った。

「見てくるから救急車呼んで」

「はい』

と答えてすぐに119番に電話した。
救急車を呼ぶのも初めてだった。



結局、忘年会だったのか
スーツのジャケットを反対向きにきた若い男性の酔っ払いだった。


人が倒れてるって
非日常的で
こんなに恐怖が先立つなんて
思っても見ていなかったことに
はじめて気づいた。



命を育む保育の仕事・・・


命を預かる保育の仕事・・・


子どももケガや高熱、SIDSなどさまざまな場面に
出会うこともあることと思います。

AEDの使用の仕方や
ヒヤリハットの大切さ
さまざまな訓練に訓練を重ねて


いざとなったら


適切な行動が冷静に取れるようになるといいですね。



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「事故トラブル 重大事故防止」で一緒に学びましょう。


ーMISAー